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経産省が大規模太陽光発電の新規参入凍結を検討

2014年10月24日

大規模太陽光発電をめぐり問題が起こっている。九州電力をはじめとした5つの電力会社は、太陽光発電をはじめとした再生エネルギー新規受け入れを停止し、経済産業省も大規模太陽光新規参入の凍結を検討しているという。

福島第一原発での事故を受け、原発依存を危ぶむ声も多く上がり、再生可能エネルギーへの転換の議論が進む中でどうしてこのような状況が起こっているのか。問題は送配電設備と、電力固定買い取り制度の仕組みにあるようだ。

大規模太陽光発電への参入は、安価で広い土地が利用しやすい地方を中心に広がっている。固定価格買い取り制度を開始した2012年7月以降、日照時間の 長い九州などを中心に、経産省の予想を超える勢いで、地方での大規模太陽光発電は広がりをみせている。制度開始当初、経産省は10年代半ばに太陽光による 発電1000万キロワットを見込んでいたが、14年時点ですでに太陽光による発電は6800万キロワットを超えた。計画中の太陽光発電量だけで地域の発電 需要を上回る場所もあるようだ。

ここで出てきたのが送配電設備の問題だ。地方で予想を超える発電量が生み出されても、それを都市部に送る送配電設備が追い付いていない。電力は作るだけで はなく、変電所まで送る送電と、さらにそこから家庭や企業へと送る配電が必要だ。送配電設備の増強には、長い期間と多くの費用が必要で、そのための仕組み も未整備となっている。16年に予定されている電力自由化によって、発電・送配電・小売の3つに事業者を分け、再生可能エネルギーを中心により多く供給で きるような仕組みが検討されているが、それもまだ調整中の段階だ。

また、固定価格買い取り制度が、12年の制度開始から3年間は高水準での買い取りに設定されているため、大規模太陽光ビジネスに参入する事業者が一気に 増えたことも要因だ。この面でも、「再生可能エネルギーに多くの事業者に参入してほしい」という経産省の思惑を超える新規参入事業者数となってしまった。 結果、送配電設備の問題と合わせて「これ以上事業者が増え、発電してくれても余るだけになってしまう」と、電力会社が受け入れを停止した格好だ。

再生可能エネルギーに多くの人が真剣に事業として取り組めば十分な電力が得られることの証明が、皮肉にも再生可能エネルギーへの転換を足踏みさせてしまったとも言えるだろう。

現在政府は原子力発電を「重大なベースロード電源」と位置付け、そこからの脱却に対して積極性は薄い。しかし、送配電設備の問題などを、時間をかけてクリアすれば、より安全で再生可能なエネルギーへと転換できる可能性はこの事実からも示されている。

「原発依存か脱原発か」という二極論ではなく、送配電設備・電力自由化を進めることで、時間をかけ選択肢を増やしながら原発から次世代エネルギーへの移行を進めるべきではないだろうか。

掲載元: YAHOO!JAPAN ニュース

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