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滋賀県HPのメガソーラー所在地情報、銅製ケーブル窃盗の誘い水?

2015年1月14日

再生可能エネルギーに関する固定価格買取制度が創設されたのに合わせ、大規模太陽光発電所(メガソーラー)が相次いで設置されている滋賀県内で、 施設内から送電用の銅製ケーブルが盗まれる事件が多発。昨年1年間で、11件の窃盗被害が報告され、被害額は約3800万円にのぼった。ねらわれたメガ ソーラーは、主に人目のつかない立地で、広大な敷地に膨大な数の太陽光パネルが敷設されているため死角が多く、警備が難しい。また、発電システムに使われるケーブルは銅の純度が高く、高値で取引される。こうした条件が重なり、窃盗グループの標的にされているとみられており、警察や発電事業者、警備会社など が対策に追われている。(桑波田仰太)

滋賀県野洲市吉川の琵琶湖岸近くに設置されたメガソーラーで昨年9月30日、送電用の銅製ケーブルが、工具のようなもので切断されているのがみつかった。

ケーブルは約30カ所で切られ、延べ650メートル分(被害額260万円)が盗まれていた。発電所の管理会社は当面の応急処置として、むき出しで敷設していたケーブルを金属製のケースで覆った。

だが翌月下旬、再び同施設の敷地内で、ケーブル盗難の被害が判明。今度は延べ300メートル分(被害額146万円)が盗まれていた。この施設は約2万4千平方メートルで、甲子園球場2つ分程度。周りを高さ2メートルの金属製フェンスで囲い、フェンスの上部には有刺鉄線を張っている。

しかし2度とも、フェンスが切断されてこじ開けられていた。窃盗容疑で捜査している滋賀県警守山署は「事業者がしっかりとした対策を取る前に、再びねらわれてしまった」と漏らす。

県警のまとめによると、県内のメガソーラーでのケーブル盗は、高島市で昨年7月に発生したのをはじめ、彦根市や東近江市などこれまで県内6市町の施設で被害が確認されている。

被害に遭った施設は、いずれも職員が常駐しておらず、防犯用のセンサーなどもなかった。こうした事態を受け、県警生活安全企画課は「防犯カメラや赤外線センサーの設置など、侵入者を防ぐ対策を急いでほしい」と事業者に呼びかけている。

これに対し、事業者側は「対策は難しい面がある」と苦悩の表情を浮かべる。メガソーラー事業で収益を得るには、安価で広大な土地の確保が求められるため、どうしても人里離れたような場所での立地が多くなる、というのだ。

ケーブル盗被害を受けた施設の事業者は「防犯カメラの設置を検討したい」とする。しかし、被害に遭った別の施設の現場警備担当者は「敷地が広く、パネルによる死角が多い施設をきっちり監視するには、かなりの数の防犯カメラが必要になる」と指摘する。

また、ある事業者は「防犯のためには敷地の囲いを高くしたいが、そうすると日照の確保に支障が生じる恐れがある」と話す。 メガソーラーがねらわれる理由として、銅価格の高騰も挙げられる。銅関連の産業団体などでつくる「日本銅センター」によると、中国などの新興国で電線設備 の建設が活発化し、銅需要の高まりに伴って銅の価格が5年前に比べ倍増。太陽光発電で使われるのは、ほぼ銅100%の高純度ケーブルのため、高値での売買 が期待できる。

さらに、「太陽光発電のケーブルは、日照のない夜間は通電していないこと、空中に張っている一般の送電線と違って地面近くの低い位置の敷設が多いことなども、ねらわれやすい要因」と指摘する。

県はこれまで、再生エネルギーの普及に力を入れてきた。このため、メガソーラーの所在地情報などを県のウェブサイトに掲載していたが、「犯罪を助長する恐れがある」と判断。昨年10月上旬にこれらの情報公開を取りやめた。

県地域エネルギー振興室によると、県内で稼働中か建設中のメガソーラーは、計50施設ある。全国と比べて必ずしも多い数ではないが、被害は目立っている。
県警生活安全企画課などは、これから稼働する予定の施設に赴き、防犯対策が取られているかどうか現地で確認や指導に当たっている。このうち、東近江署では「出入り口に施錠設備があるか」「警備員が常駐しているか」などのリストを作成し、各施設のチェックを進めている。 同課は「警察もメガソーラーに重点を置いたパトロールの強化にも乗り出しているが、限界がある。事業者側がしっかりと防犯意識を持ち、対策を怠らないでほしい」と話している。

記事元: 産経WEST

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