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日本でも存在感増す太陽光発電、世界的ブーム到来か

2015年5月11日


 日本では石油火力発電所の老朽化が進む一方、東日本大震災による福島第1原子力発電所の事故を契機に、総発電量に占める原子力発電の占める割合が低くとどまっている。そうしたなか、太陽発電が代替エネルギーとして存在感を強めつつある。
 自然エネルギー財団(JREF)によると、日本国内の太陽光発電は早ければ今四半期中にも採算が合うようになる見通しだという。
 日本は現在、ソーラーパネルで世界4大市場の1つであり、兵庫県加東市の水上メガソーラーや岡山県瀬戸内市の塩田跡地に建設中のメガソーラーなど、大規模な太陽光発電所も操業が始まっている。
 JREFのトーマス・コーベリエル理事長は「日本では、ソーラーは十分発達しており、今後は輸入されるウラン燃料や化石燃料に取って代わるようになる」と指摘。「既存の火力発電所と原発を守ろうとする国内電力会社は、(太陽光発電の)発展を遅らせることしかできない」と語った。
 日本は2016年3月までに、約2.4ギガワット分の石油火力発電所を引退させ、その分を代替燃料に切り替える。また福島原発事故後、国内の商業用原子炉43基は稼働を停止しており、再生可能エネルギーによる発電容量はそれまでの3倍となる25ギガワットに伸びたが、そのうちの80%以上を太陽光発電が占めている。

 各国政府や業界、消費者団体のデータによると、日本で採算が合うようになると、太陽光発電は先進7カ国(G7)すべてと主要20カ国(G20)の14カ国で、商業的に実現可能なテクノロジーとなる。
 アナリストらは、ソーラーパネルの価格急落と発電効率の向上により、太陽光発電には世界的ブームが訪れつつあるとみている。
 エネルギー調査会社ウッド・マッケンジーは「シェール採掘が石油とガスを書き換えたのと同様、太陽光発電の普及ほど電力市場を変えるテクノロジーは他にはない」と指摘。

 米石油大手エクソン・モービル(XOM.N: 株価, 企業情報, レポート)は「2010年から2040年までに、太陽光発電容量は20倍以上に拡大することが見込まれる」と予想している。
 投資家も太陽光発電の魅力を再発見しており、2008/09年の世界金融危機後に急落していたグローバル・ソーラー・エネルギー株指数は、今年に入って40%上昇している。


<インドでもブーム到来か>

 ドイツのフラウンホーファー研究機構によると、中国はソーラーパネルの大量生産を始めることで、過去10年で太陽光発電の製造コストを80%下げる原動力となってきた。
 日本では2010年以降、住宅用太陽光発電の製造コストは、従来の2分の1以下となる1キロワット時当たり30円未満まで下がった。
 ウッド・マッケンジーは「まだ(発電)効率は理論上の最高値に遠く及ばない」ため、コストはさらに下がると予想している。
 太陽光発電は欧州や北米ではすでに非常に確立した市場だが、アジアではすきま産業からの脱却によるブーム到来が予想される。
 なかでも、中国による新たな環境汚染対策は、太陽光発電産業に大きな影響を及ぼしている。同国政府は、エネルギー消費の約3分の2を占める石炭に代わるエネルギー源を模索しているからだ。
 中国の2014年の太陽光発電容量は26.52ギガワットと、同国の総発電容量1360ギガワットの2%にも満たない。
 しかし、政府は2020年までに太陽光発電容量を100ギガワットまで伸ばす計画を持っており、2015年は第1・四半期だけで5ギガワット、通年で17.8ギガワット増やす意向がある。
 現在は石炭火力発電に大きく依存するインドも日射量は豊富であり、太陽光発電に大きくかじを切る可能性がある。
 ただ、太陽光発電にブームが訪れても、化石燃料による発電が完全になくなるわけではない。
 エクソンは「太陽が隠れていたり、風がやんでいる間など、太陽光発電や風力発電をバックアップするため、天然ガス火力発電所など追加の発電量は用意しておかなくてはならない」としている。

記事元: REUTERS

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