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2016年度のFIT買取価格の委員会開催、システム費用の見直しも

2016年1月26日

 経済産業省は1月19日、第20回 調達価格等算定委員会を開催し、2016年度(2016年4月~2017年3月)の固定価格買取制度(FIT)における再生可能エネルギーの買取価格(調達価格)の議論を始めた。

 冒頭に、太陽光発電の発電コストや買取価格の国際比較が示された。日本は発電コストが218米ドル/MWh、買取価格が22.5米セント/kWhと、いずれも海外の主要国に比べて約2倍と高い水準にあるとした。発電コストの要因となる、設備稼働率はドイツ、フランス、英国という欧州北部の国の方が、日本より低い。一方、資本費・運転維持費は、日本は他の主要国の約2倍の水準にある。

太陽光発電の発電コストや買取価格の国際比較 (出所:経済産業省)

 続いて、買取価格を定める際のベースとなるコストの状況が示された。出力10kW未満の住宅用太陽光発電では、システム費用(太陽光パネル、パワーコンディショナー:PCS、架台、工事費を含む)を新たな手法で算定した。従来は補助金のデータを基に定めていたが、補助金の交付が2014年11月に終了したことにより、新たに年報データから算定した。

 2015年10~12月の出力10kW未満のシステム費用は37.1万円/kWで、このうち新築住宅分の推計は35.3万円/kWとなる。2015年度の算定ベースでは、36.4万円/kWだったため、平均をとると上昇し、新築分をとると下がることになる。

 東京電力、中部電力、関西電力以外の管内では、出力10kW未満でも出力制御対応機器の設置が求められ、その追加費用は、2015年度と同じよう1.0万円/kWとする案が示された。

 出力10kW未満の運転維持費は、年報データから2015年の平均出力が4.7kWに達しており、2015年度の想定値である年3600円/kWから、年約3200円/kWに下がっている。この数値に、2015年度と同水準の定期点検費用、PCS交換費を計上し、平均出力の上昇分を反映した年3200円/kWを採用する案が示された。

住宅用のシステム費用 (出所:経済産業省)

■10kW以上はシステム費用を検証

 出力10kW未満の余剰売電比率も示された。年報データから確認した設備利用率の中央値は13.7%(平均値:13.8%)に達し、従来想定していた12%を上回っていた。余剰売電比率の中央値は70%(平均値:69%)で、想定値の60%を大きく上回っている。発電出力と余剰売電の比率は、平均出力4.7kWに対して余剰売電比率は71%と、中央値に近い値となった。

 FITの施行当初は、正確なデータが得られなかったため、余剰電力買取制度と同様に設備利用率12%、余剰売電比率60%を想定値としていた。その後、PCSの変換効率の向上や、太陽光パネルの大規模化などにより、設備稼働率、余剰売電比率とも上昇したと見ている。

 住宅用は、買取期間が10年のため、11~20年目の余剰売電分の買取価格が決まっていない。従来は家庭用電力料金単価(24円/kWh)を11~20年目の自家消費と売電単価として設定していた。だが、2016年4月には、電力小売市場が全面的に自由化され、旧・一般電気事業者は低圧の小売部門で他社と競合することになり、高い買取単価の設定は現実的ではなくなる。

 そこで、買取開始11年目以降の余剰売電分の買取価格は、卸売市場価格を目安とした。2015年の昼間平均スポット価格は11.95円、直近の特定規模電気事業者の回避可能費用が10.72円であることから、11円程度を想定する案が示された。11年目以降の収入が大幅に減るため、1~10年の買取価格を引き上げる方向に働くとみられる。

 出力10kW以上の太陽光発電では、システム費用の算定で、従来採用してきた、出力1000kW(1MW)以上の中央値を取る手法を続けるかどうか、検証が必要ではないかとした。出力1000kW以上と同10kW以上全体のシステム価格の差は、従来の5.2万円/kWから3.6万円/kWに縮小している。

 「効率的な費用水準」として、出力1000kW以上の中央値より、さらに低い値を採用する可能性も示唆した。

 一方、出力10kW以上の設備利用率は14%、土地造成費は0.4%、接続費は1.35万円/kW、運転維持費は0.6万円/kWと、いずれも従来通りに据え置いたらどうかとしている。

 住宅用太陽光発電では、買取価格が上がる要因と下がる要因が示された一方、出力10kW以上ではシステム費用の下げ方向だけが示唆された。

記事元: 日経テクノロジーonline

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