最新情報

衛星「ひとみ」運用を断念 太陽電池パネルが分解か

2016年5月6日


打ち上げ前に公開されたX線天文衛星「ひとみ」
=鹿児島県の種子島宇宙センター

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、通信が途絶えていたX線天文衛星「ひとみ」の運用を断念したと発表した。電源の太陽電池パネルが根元から分解した可能性が高く、回復は見込めないと判断した。X線を観測してブラックホールなどの詳しい様子を調べる計画だったが、研究も停滞することになる。

 衛星は2月17日に種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられ、3月26日午後4時40分ごろから地上と通信ができなくなった。機体が複数に分解、回転していることが観測で判明していた。

 JAXAが原因を調べたところ、衛星の姿勢制御のプログラムが不十分で機体が回転。衛星は自動的に噴射で立て直そうとしたが、事前に送った信号に設定ミスがあり、逆に回転が加速した。このため、太陽電池パネルや長く伸びた観測用の台の根元に遠心力がかかり壊れたとみられるという。

 JAXAは当初、通信が途絶えた後も3月28日までは衛星からの電波を短時間確認できたとし、パネルが太陽の方向を向くようになれば復旧の可能性があるとしていた。しかし、電波は別の衛星のものだと判明したという。

 JAXAの常田佐久・宇宙科学研究所長は会見で謝罪し、「人間が作業する部分に誤りがあった。それを検出できなかった我々の全体のシステムにより大きな問題があった」と述べた。

 X線を観測して宇宙の成り立ちを探るX線天文学は日本のお家芸とされ、ひとみは6代目の衛星。米国などとの共同開発で、日本は打ち上げ費を含め約310億円を負担していた。(奥村輝、山崎啓介)

記事元: 朝日新聞

▲ページトップ

Copyright © Vis Portal All Rights Reserved.