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太陽光を追尾する集光型、住友電工が豪州で実証を開始

2017年2月8日

 住友電工とオーストラリア・クイーンズランド工科大学は、「集光型太陽光発電(CPV)」の実証設備を完成させ、共同実証実験を開始したと発表した(図1)。


図1 建設した実証設備  出典:住友電工

 オーストラリア・クイーンズランド州は、広大な国土に広く延びた電力網を抱えていることから送配電コストの負担が大きく、分散型電力システムのニーズが特に高い地域であり、環境への配慮から脱化石燃料に対する意識が高まっているという。政府主導で再生可能エネルギーの導入計画が積極的に進められており、メガソーラーの導入も今後進むことが期待されている。

 オーストラリアには直達日射量の高い土地が多くあり、同社は高日射で高温な環境で優位性を発揮するCPVを導入するには好適な地域とみている。特にクイーンズランド州はこうした好条件な日照環境と強い環境意識の下、同州では再生可能エネルギーの普及率を、現在の4.4%から2030年までに50%にまで引き上げることを目指している。

 住友電工は、2016年11月にクイーンズランド州政府の協力により、クイーンズランド工科大学との間でCPVの共同実証に関する契約を締結。同州レッドランドにある州政府関連の研究施設内にCPVを用いた設備を建設し、実証実験を開始した。実証期間は2年間の予定で、総発電量の計測などを行いCPVがもたらす経済効果の検証を行う。

 同社のCPVシステムは、変換効率が40~50%と高い化合物半導体の発電素子を用い、太陽を追尾しながらレンズで直達日射光を数百倍に集光して発電する仕組みだ。モジュール変換効率は、標準的なシリコン系太陽電池の約2倍の性能をもつ。CPVモジュールは薄型・軽量なため、モジュールを搭載する追尾架台のコストや輸送コスト、現地施工コストを低減でき、発電システム建設時のトータルコストが低減できるという。

 仰角と方位角を調整する2軸追尾架台にモジュールを搭載し太陽を正確に追尾する構造のため、朝から夕方まで日射光をより効率よく活用した発電が可能だ。変換効率の温度依存性が少ない化合物半導体発電素子を使用しているため、シリコン系太陽電池に比べて効率が低下しない。さらに、モジュールに発電出力を落とすことなく、ロゴ、文字、メッセージなどを映し出せるほか、太陽電池パネルが地面から高い位置に設置する構造で、パネル下のスペースも活用できるなどの特徴がある。

記事元: スマートジャパン

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